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近江麻吉祥紋絣夜具地

近江麻吉祥紋絣夜具地

近江麻吉祥紋絣夜具地

松、鶴亀など吉祥紋の絵絣 (緯絣)。夏布団地だろうか。この一枚の地味な麻の小絣、 何を書いてよいやら悩んでい た。それでもルーペで見ていたら鶴亀が動いた。こう感じると、たわいもないことが書きたくなる。
7歳に戻る。まだ戦前の夏の宵の幻想。緑の麻の蚊帳の 中に白いうちわが揺れる。絣や縮の麻の掛布団、夕涼みする祖父の白い蚊絣、戦地の父 が帰った時着せようと、母は縮の浴衣を縫う。私だけ、赤や黄の色味のある朝顔の寝間着。まだ暮らしの中に、麻や絣が生きていた時代があったの だといつも話はここに戻る。